No.7 結露・湿度から守る!ヒーターの活用法
結露状態を含む高湿度環境は金属の腐食を促進し、機器トラブルの要因となります。 鉄は湿度50%、銅やコバルトは湿度60%を超えると腐食速度が急加速します ここでは、ヒーターを使い、低コストで構築できる湿度のコントロール方法を ご紹介致します。 |
動画は こちら ⇨ |
結露は何故おこる?
「結露」の発生するメカニズムを考える場合、まず結露のもとになる「水蒸気」についての理解が必要になります。
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空気は高い温度の時ほど多く水蒸気を含むことができます。
それぞれの温度で含む事の出来る最大の水分量を飽和水蒸気量
といい、この飽和水蒸気量に対して、それぞれの温度で実際に
存在する水蒸気の割合を相対湿度と言います。
【結露発生のメカニズム】
例えば、日中の制御盤内の温度が25℃、相対湿度65%だったと
します。深夜、盤内の温度が5℃まで下がったとすると、5℃の
飽和水蒸気量は6.81g/m3なので、差し引き8.19g/m3が水蒸気
として空気中に存在する事が出来ず、結露となります。
25℃(湿度65%)5℃(湿度100%)結露発生!
水蒸気量:15g/m3 水蒸気量:6.81g/m3 + 結露:8.19g/m3
結露・高湿度対策
温度低下による盤内の相対湿度上昇、最終的に相対湿度が100%を超えると結露が起こります。「ヒーターで盤内の温度をコントロールする」事は
「ヒーターで盤内の相対湿度をコントロールする」 事になりますので、結露対策または高湿度対策として有効な手段です。
湿度と腐食速度の関係/温度と湿度の関係について(技術資料)»
「盤内の相対湿度を_%以下に保つ」
湿度スイッチを使う事で、盤内の湿度にあわせてヒーターやファンを制御し 相対湿度をコントロールする事が出来ます。湿度の設定はお客様の環境に 合わせて、35~95%の間で自由に設定する事が出来ます。盤内の湿度が設定 した湿度に達するとヒーターをON、湿度が設定値から約4%下がるとヒーター をOFFします。また、一台の湿度スイッチでファンとヒーターを併用する事も 可能です。この場合、ヒーターとファンは排他制御となります。 必要な時にだけ、ヒーターをONし、湿度が下がるとヒーターをOFFしますので 省エネにも貢献します。 01220.0-00 |
「盤内の温度を一定以上に保つ」
温度スイッチを使う事で、盤内の温度にあわせてヒーターを制御、寒暖差による 結露対策や高湿 度対策を行う事が出来ます。 温度の設定は-35℃~80℃の間で 自由に設定する事が出来ます。 ヒーター用の温度スイッチは、盤内の温度が設定 温度まで上昇するとヒーターをOFF、温度が 4℃下がると、再びヒーターをON します。(NC接点) 必要な時にだけ、ヒーターをONし、設定 温度以上ではヒーターをOFFしていますので省エネにも貢献します。 AM2-XB1 |
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設定温度をダイヤルで設定できます。高度5,000メートルまで使用できる2つの状態レギュレー |
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【お勧めヒーター】PTCサーミスタを発熱体に使用したヒーター
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CSK060(10W/20W) CS060シリーズ(50W/100W/150W)
樹脂ケースでヒーターを覆い更に安全性を高めたヒーターです。(二重絶縁構造、表面温度も85℃以下:周囲温度25℃時)
・ヒーター出力:10W/20W/50W/100W/150W
・電源:100-120V AC/DC, 120-240V AC/DCPTCとは英語(Positive Temperature Coefficient=正温度係数)の頭文字をとったもので、温度が高くなると電気抵抗値が正の数の係数だけ
変化する特性の事をいいます。温度が低い時は伝導性粒子の連鎖が連なって電流が流れやすく(抵抗値:小)、温度が高くなると半導体粒子
(マトリックス)が膨張し、伝導性粒子の連鎖を断ち切り、電流を流しにくく(抵抗値:大)なります。この特性を利用したPTCヒーターは
低温時に発熱量が高くなり、高温時には発熱量が、上がらないため、省エネ性や安全性などに優れたヒータです。